ロールモデルの功罪 両立支援・ダイバーシティ推進におけるロールモデルのメリット・デメリット

2018年08月17日

女性活躍推進や両立支援、ダイバーシティ推進における「ロールモデル」の要/不要論争が巻き起こっていますが、今日はロールモデルのメリット・デメリット、会社として「誰か」や「誰かの事例」を紹介する際に気をつけるべきポイントについてご紹介します。

会社が提示するロールモデルは有効か?

会社が提示するロールモデルは有効か?

子育てをしながら、働く社員のロールモデルとして会社から白羽の矢が立ったAさんは、産休育休から復職し、短時間勤務でもそこまで無理なく働き続けており、会社としてはまさに「こうあってほしい」と思えるような働き方、キャリアの女性でした。

ある日、人事部からの依頼で育児中の社員向けの両立支援セミナーへの登壇を依頼され、登壇。これまでの自分の子育てや仕事に関することをありのままに話しました。

しかし、会場に集まった育児中の社員からの評価は散々で「Aさんは、理解ある上司の下で働けるからそんな働き方ができるけど、自分の職種ではそんな働き方は無理」「Aさんはご両親のサポートを受けやすく、自分とは育児をする環境が違って恵まれているからそんなことが言えるんだ」など、Aさんと自分の「違い」にフォーカスした意見が大半でした。

では、なぜ会社の思いとは逆行するような意見が多く出るのでしょうか。今回のセミナーに対する人事部の思いとしては、少しでも育児と仕事の両立や今後のキャリアの参考にしてほしい。事例のなかからヒントを探してほしい。というものでした。

一方で、セミナー受講者の心理に目を移すと「会社の理想とするキャリアを押し付けられている」「会社としてAさんのようになってほしいというなら、私には無理かもしれない」といった本音があることでしょう。会社側の意図やメッセージが完全に誤った形で伝わっています。

ロールモデルを紹介する際に気をつけたいこと

ロールモデルを紹介する際に気をつけたいこと

まず、現在は企業の制度は整っており、両立支援制度が無くて困るというような状況に置かれるケースは稀だと思います。一方で育児と仕事を両立していく中では、物理的に時間がなかったり、予期せぬ事態にストレスが溜まったり、そんな状態がいつ終わるかわからないなど、今後に対する不安も大きくなる時期でもあります。このような時期には、ことさら発信するメッセージには気をつけたほうが良いものです。

弊社では両立支援、女性活躍推進、ダイバーシティ推進を支援するエアリーダイバーシティを企業に提供しています。多くの企業が試行錯誤しながら施策を進めている中で、コミュニケーションミスを起こしていない企業がどのようなポイントに気をつけて工夫しているのかについて、事例を元にご紹介していきます。

「あくまで参考事例としての紹介」を強調

最もシンプルなのは、「事例の紹介」が目的であり、会社としてそれ以上の目的や意図がないことをはっきりと宣言してしまうことです。

例えば「本日は、皆さんが仕事と育児を今後両立していく中で参考になる事例を話してもらいます。職場環境や家庭環境も違うと思いますので、ご自身が参考にできる部分を持って返ってもらえればと思います。」といった目的の説明があると、受講者の声が先に紹介したものと比較すると大きく変わってきます。

これは、著名な研修講師の方が、講演する時にも気をつけているそうで、そうした事情を理解している講師は、企業側がお願いしなくともこうした気遣いができるという話も聞きます。

ロールモデルの押し付けにならないように、バリエーションを増やす

続いてご紹介する事例は、あくまで両立中の先輩を紹介するのですが、会社の意図が透けて見えるような画一的なロールモデルを紹介するのではなく、ロールモデル候補として様々な価値観、様々な職種、様々なキャリアの社員を複数紹介するというパターンです。

会社からの押しつけに感じてしまうのは、ロールモデルとして紹介する社員の数が少ない、複数人であってもワンパターンであることが大きな要因です。企業によっては様々な価値観の社員が子育てをしながら働いており、育児や仕事に対する考え方も様々です。そういった多様性を許容し、ありのまま紹介することで、自身の価値観やキャリアに対する考え方に近い人を参考事例として捉えやすくなります。

会社として「こうあってほしい」というものはあるとは思いますが、それを強硬に押し付けるあまり、そっぽを向かれてしまっては元も子もありません。会社として譲れない部分を正しく伝えるためにも、それ以外の部分にバリエーションをもたせることが重要なのです。

会社の意図を正しく伝えるために活用するHRテック

会社の意図を正しく伝えるために活用するHRテック

数年前になりますが、ダイバーシティ推進部署の室長の方とこんな話をしました。

「保育園に入れない方がやむを得ず退職とならないように育児休業期間を伸ばしたが、保育園に入れない人を救うためのセーフティネットだということが全く理解されず、とりあえず休める期間は制度の上限まで休むという人が増えた。」

長く休むことはメリットばかりではありません。育休期間が長ければ、人事異動で人が変わり、社内システムも変わり、自身の仕事に対するブランクも大きくなり、復職後、働き続けるハードルは確実に上がっていきます。育休を長くした場合のデメリットも含めた実情や、育休制度の期間を延長した意図が、制度利用者に伝わっていないのです。

制度の目的を制度利用者に適切に伝える。会社として先輩社員をロールモデルとして提示した意図を両立中の方に正しく伝える。いずれも非常に手間のかかることであり難しいものです。

そこで活用していただきたいのが、HRテックです。エアリーダイバーシティは育休者や育児中の社員と会社、上司をつなげ、また育休者や育児中の社員同士をつなげるコミュニケーションプラットフォームです。

エアリーダイバーシティは育休者や育児中の社員と会社、上司をつなげ、また育休者や育児中の社員同士をつなげるコミュニケーションプラットフォーム

例えば、今回ご紹介したような課題に対しては以下のような使い方が可能です。

制度変更の効率的なおしらせ

エアリーダイバーシティにはスマートフォンアプリがあります。プッシュ通知を搭載しているため、育児中であっても必要な情報をリアルタイムで確認できます。制度変更時の変更内容の通知はもちろん、それによって変わる様式や想定される質問への回答なども一緒に提示でき、制度変更の意図も休業者含めたユーザー全員に伝えることができます。

拠点や事業所を超えてロールモデル候補を紹介

複数人のロールモデル候補を紹介する際も、エアリーダイバーシティが有効活用できます。拠点や事業所が違う方もシステム上で紹介し、その方にアカウントを持ってもらえれば別事業所にて働いている方同士や、休業中の方からロールモデル候補の方に直接質問したり、やり取りをすることができます。

参考事例として先輩の情報を紹介

先輩の情報もストックすれば、様々な環境で働く(育児をする)、様々な事例を一挙に紹介することができます。多くのストックがあれば自ら探し、参考にできる事例も出てきますので、ユーザーも「押し付けられている感」を感じずに済みます。

エアリーダイバーシティは大手金融機関から公的機関、学校法人に至るまで、セキュリティ基準の高い企業や団体に選ばれています。また上述したような事例を豊富に有しており、各企業のフェーズ、課題に合わせた運用支援、”伴走”が可能な唯一のサービスです。

詳細は、サービス紹介ページをご覧ください。

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