両立支援、ダイバーシティ推進、女性活躍推進、働き方改革、テーマが変わっても上手くいかない原因

2018年08月29日

両立支援、ダイバーシティ推進、女性活躍推進、働き方改革と政府主導で法律が整備され、人事部門に大きな影響を与えてきたこれらの施策。上手く活用できた面も当然ありつつ、なんとなく上滑りしている企業も少なからずあるのではないでしょうか。

では、なぜそのような状況になるのか、上手くいった企業との対比で、その原因をご紹介します。

目立つことより一歩一歩の積み重ね

目立つことより一歩一歩の積み重ね

まず、上手くいっている企業に必ずと言っていいほど共通していることは、一つ一つの積み重ねをしっかりやっているということです。人事課題の解決は成果が出るまでに時間もかかります。アワードで表彰されるような取り組みをどんどんやって、やりっぱなし、社員からは「また、人事が何か言ってるよ」となってしまっては、誰のための制度、取り組みなのかわかりません。

もちろんコツコツやっていく中で先進的な取り組みが注目される企業もたくさんありますが、目立つこと、目新しいことをやることが目的の企業は大概、空中分解して得たい成果をあげられません。以下、よく陥りがちな落とし穴を粘り強く回避している企業の事例です。

「制度を作っても現場が理解しない」をどう解消するのか?

人事部が現場の課題を吸い上げて、制度で解決しようとする場合、必ずその制度を新設、または変更する理由があったはずです。しかしそのプロセスを現場に共有せず、制度を作ったこと、変えたことだけを伝えているケースが多く見られます。制度を周知するだけでも大変というのも重々理解できるのですが、それでは人事部が想定した課題解決に至らず、形骸化したり、全く違う使われ方をして新たな課題を生み出すだけです。

例えば、育休期間の延長もその一例です。各社が待機児童の問題で復職できないことを避けるため、法定より長い期間の育休が取れるようにしたところ、育休に入るタイミングから制度の上限までお休みをするという社員が続出したという話です。休職期間が長ければその分、職場復帰する際に、社内のシステムや職場環境、上司や同僚が変わっている可能性が高くなり、マーケットの変化も重なって、復帰後に働く難易度が上がります。

しかしそういった事を知らなければ、盲目的に休職期間の上限まで休むという選択をしてしまうことも当然でしょう。そこで、とある企業では早期に復職した社員、長く休んだ社員の双方にインタビューをし、メリット・デメリットをヒアリングしたうえで、休職に入る社員に両方の情報を提示することを始めたケースや、会社としても早期復帰してもらえるに越したことはないため、上限より早く復職した場合、本来育休が取れるであろう期間までのベビーシッター代、保育料を手当として支給するような動きも出てきました。

昨今の働き方改革の流れの中では、長時間労働是正のための業務時間削減が、現場の社員には、会社経費カットの一環での残業代縮小と捉えられているケースもあるようです。制度を作ったり、変えたタイミングで、その意図が周知されていないことで、現場が白けたり、さらなる経費がかかったり、後追いで施策を整備することで結局工数がかかってしまうケースも散見されるため、制度を作ったタイミングできちんと意図を周知することが重要と言えます。

トップメッセージの根気強い発信

職場に施策が浸透するかどうかの大きなポイントに管理職の価値観が挙げられます。例えば会社としては、労働生産性を重視し、成果での評価、労働時間の長さを評価に連動させないなどのメッセージを出しても、現場の管理職が「長時間働いている社員こそ、会社に貢献している」という価値観を持っていては、その職場の社員は仕事が終わっても帰れません。

管理職もこれまでの成功体験があり、中間管理職はプレーヤー業務とマネージャー業務に忙殺されているなど、新しい取り組みや価値観を理解し、行動変革をすることが難しい環境に置かれています。こうしたケースでは、トップを始めとした経営層から根気強くメッセージを発信することで、職場のマネージャーの意識を変えていくことも重要です。

人事部がどれだけ言っても理解してこなかった管理職層が、トップメッセージとして配信すると、ようやく会社の方針として理解するというのは、よくある話です。

さらに、施策を加速させようと考えている会社は、たとえば長時間労働を是正することを管理職のミッションとして評価指標に組み入れる動きなどもあります。成果も出しつつ、働き方を変えるというのが、現場にしわ寄せを押し付けることと捉えかねないため、サポート体制の拡充や優先順位の明示などは必要かもしれませんが、これもある種、劇薬であるがゆえに即効性は高いといえます。

ここにご紹介した内容は、地味で手間もかかり、やったところで目立つ何かがあるわけでも表彰されたり、称賛されるわけではありません。それどころか、現場からは後ろ指をさされたり、揶揄されることもあるかもしれません。

しかし、それをコツコツやることでしか課題解決しないのが人事というものではないでしょうか。人の問題は費用対効果も短期的には見えづらく、緊急度をしばしば下げられがちですが、それに向き合わないでいるといつしか組織が蝕まれ、企業にとって取り返しのつかない大きなダメージになりかねない分野でもあるのです。

経営層において、目的が腹落ちしているかどうか

経営層において、目的が腹落ちしているかどうか

トップメッセージ配信について事例をご紹介しましたが、経営層がその目的を理解しているかは、施策の進捗に大きな影響を与えます。例えば上場企業のトップですら、「女性活躍推進や働き方改革をお上からのお達しだから仕方なく、対外的にやっているように見せる」と考えている層が一定います。

もちろん、消費者目線を活かした製品開発をしなければ激しい競争に勝てないと考える経営者や、多様な働き方を容認しないと人手不足の昨今、優秀な人財に自社を選んでもらえないという危機感を持つ経営者も多くいます。

前者と後者では対外的な見え方はさておき、社内的な見え方が全く違ってきます。後者の場合はトップから事あるごとに社員に対して自らの言葉で課題が共有され、そのために自社として何に取り組むべきなのかが温度感を伴って発信されます。

一方で対外的な見え方だけを気にしている場合、社内に対してはそういった情報発信は皆無です。そのような状態の中で人事部だけが頑張っても、やはり現場は理解してくれません。そのフェーズにある企業の人事部の優先課題はトップに現状を理解してもらい、危機感を持ってもらうことなのかもしれません。

HRテックを使った、施策の定着支援

HRテックを使った、施策の定着支援

トップがコミットする環境ができ、人事部門としても制度新設の意図を正しく伝えるため、ITを使ったコミュニケーションプラットフォームの活用が進んでいます。

当社が提供する「エアリー」では、巨大企業における社風改革推進を支援した実績がありますが、その際は、現場の社員から経営トップまでをバーチャルでつなげて、トップの意志を現場に伝え、現場の声を持ってくる、いわば伝道師をそれぞれの職場につくることで、巨大な組織における風通しを良くし、社風改革推進を加速した事例があります。

アルバイト雇用の多い業態においては、経営層の考え方を現場まで浸透させるため、毎日のように経営者自身の言葉でアルバイトも含めた全社員に思いや考え方を熱量が失われない形で、自らの言葉で伝える”日記”を書き続けた事例もありました。いずれの企業も施策が上滑りせず、好業績を維持されています。

一方で、両立支援や女性活躍推進などにおける施策は、休業中の方も含めて周知をする必要があります。エアリーダイバーシティでは、そのような周知もリアルタイムに実施でき、休業者はアプリからアクセスすることで、見逃したり、見るためにPCを立ち上げたりする必要もなく、スマホのブラウザからサイトにアクセスし、ID/PWを毎回打つ必要もありません。

他にも上司とのコミュニケーションを通じて、復職しやすい環境を作ったり、先輩社員の働き方を共有することで、復職後の自分の身に起こるであろう様々な事象を先回りして想定しておくことができます。

エアリーダイバーシティは育休者や育児中の社員と会社、上司をつなげ、また育休者や育児中の社員同士をつなげるコミュニケーションプラットフォーム

詳細は、サービス紹介ページをご覧ください。

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