ESを高める社内システム活用とは? 後編
ESを高める社内システム活用とは? 後編

前回に引き続き、ES向上を目的とした社内システム活用のポイントをご紹介します。今回は、マズローの5大欲求の中で最も上位に位置する「自己実現の欲求」を叶えるための仕組みをご紹介します。

【前回コラム】ESを高める社内システム活用とは? 中編

人財育成に寄与するコミュニケーションプラットフォームとは

「人財育成」というと、ほとんどの方は教育や研修、1on1など狭義な意味でのソリューションを思い浮かべるのではないでしょうか。しかし、どれだけ素晴らしい研修もコーチングも本人のマインドに大きく左右されてしまうことを忘れてはなりません。例えば前向きに自分のキャリアを考えられていない方に対して選択できるキャリアの方向性が多様であることを話しても、それは不安を助長するだけです。まずは、自身のキャリアに対する不安を払拭し、前向きに考えていただく必要があります。

弊社にも例えば育休復帰に際して、どうすれば皆さんが前向きにキャリアを考えていただけるのかというご相談をよくいただくのですが、大半の企業は講演会を開いて外部講師に話をしてもらうとか、自社にいるロールモデルに登壇してもらうということを実施しています。しかし、実際に受講者に感想を聞くと、「あの人が所属していた会社は、制度も環境も整っていて家族の協力も得られたからそんなことができるんだ」(外部講師の場合)、「あの人の部署は上司も理解があり、周囲にカバーしてくれる人員もたくさんいる。自分の部署はそんなに良い環境ではない」(社内ロールモデルの場合)、と事例を真正面から有効活用しようというマインドになっていないケースも多々あります。

一度、こういった研修講師をされている方から伺った話ですが、その方は「自身の苦労や工夫を話す際に、極力押し付けがましくならないよう、あくまで参考の1事例として伝わるような話し方をしている」と仰っていました。

外部講師であれ、ロールモデルであれ、会社側の意図(こういうキャリアを歩んでほしい/こうなってほしい)の押し付けが少しでも見られれば、受講者側は一気に白けてしまい、斜に構えてしまうものです。往々にして見られる反応としては、登壇している講師やロールモデルとの“違い”に目が行ってしまいます。アンケートや受講者の声として「〇〇さんの会社(もしくは部署)は☓☓☓☓が整っているから、上司の理解があるから、」といった声が出た場合は要注意です。

では、どうすれば参考事例として自身のキャリアに取り入れてもらい、前向きに考えてもらえるのでしょうか。重要なポイントは、自身に選択してもらう環境を作ることです。たとえばロールモデルも「会社から押しつけられた」ものと「自身で選択した」ものでは本人のマインドが変わってきます。弊社顧客でうまく対応されている企業では、様々な地域、職種、経験の方を複数名紹介し、その方たちの声や工夫を紹介するサイトを構築、両立されている方が自由に閲覧し、なにかあれば直接質問ができるような空間を社内専用のコミュニケーションプラットフォームとして作られています。そうすることで、多くのロールモデル候補の中から自身のキャリアに対する考え方や置かれた立場、状況に近い方の事例を自身で選ぶという環境ができ、前向きに事例を取り入れるマインドの下地ができるのです。

育休からの復帰については、職場環境や家庭環境など個別事象に左右されることが多いため、このような注意が必要ですが、内定者フォローや新人育成などにおいては、悩みやぶつかる壁が共通化されているケースもあります。その場合に有効なのは、やはり一歩先の姿を見せることではないでしょうか。弊社がお手伝いしているサービスの中で内定者フォローサービスがありますが、内定者の満足度の高いサイトは、何かしらの形で先輩社員が登場します。

例えば営業車の運転がある企業であれば、必ず毎年出てくる不安として、マニュアル車の運転に関するものがあります。転勤前提の職種での採用であれば、実際に地縁のない地域で勤務することに対しての漠然とした不安。抱える悩みや不安が共通化できるなら、実際にそれに対峙した人、乗り越えた人の声が不安解消にもっとも効果的です。実際に営業に出ている若手社員や地方支社で勤務している社員の声を紹介したり、直接コミュニケーションを取ってもらえる環境を作ることが、不安解消に大きな役割を果たします。

不安解消を講じないまま、マインドセットという土台を作らないまま、上にどれだけ素晴らしい研修や育成方法を乗せても効果はでません。逆に押し付けがましく感じられ白けてしまい、会社に対するロイヤリティの低下にも繋がりかねません。

人財育成に寄与するコミュニケーションプラットフォームとは
マズローの5大欲求に基づいた中長期的設計

このコラムまでの全3回で、マズローの5大欲求に合わせたES向上策について事例をご紹介してきました。

ESを高めるためには、自社の置かれた環境から、まずどのフェーズから支援するのが良いのかを考え、設計をしたうえで取り組みをスタートすることが重要です。また1年程度の短期的なプロジェクトではなく、数年を見越して計画を立てて、実行に移さなければ成果は得られません。 一つの考え方、ガイドラインとしてマズローの5大欲求に基づいたES向上策を考えてみてはいかがでしょうか。

マズローの5大欲求に基づいた中長期的設計
エアリーは目的特化、課題解決まで伴走する唯一のサービス

人事課題は同じ業界でも、企業ごとに異なります。失敗している人事施策では、自社の課題と施策の目的を明確化せず、他社の成功事例や一律のコンサルティングをそのまま取り入れているケースが多く見られます。エアリーは、お客様ごとの課題に個別に向き合いコンサルティングを行ってきました。非常に手間はかかりますが、コミュニケーションプラットフォームは無目的に導入すると、ただただ費用と導入コストだけがかかり形骸化するだけではなく、さらにESの低下にも繋がります。

【参考】ビジネスチャットは愚痴、不満の温床!? 調査で見えた無目的なITツール導入の悲惨な末路

EDGEの「エアリー」は、社内コミュニケーションにおけるICT活用の領域において、これまでの運用支援実績に裏打ちされた、導入支援と課題解決までの伴走が強みです。まだ、情報収集段階の方も、まずはお気軽にご相談ください。

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