都内の大規模再開発や電力インフラ関連工事などを手がける株式会社関電工様。女性管理職数を2021年3月までに32名(目標設定時の4倍)にするという意欲的な目標を掲げ、2016年11月からエアリーダイバーシティを導入し仕事と育児の両立をする女性社員の交流の場を育んでいらっしゃいます。導入の決め手や効果について女性活躍推進チームの冨田敦子様、塩田珠紀様、井上夕紀子様にお話を伺いました。
事業内容:住みよい環境のために、あらゆる設備を構築すること。それが、関電工の使命です。
日本を代表する総合設備会社として、屋内線・環境設備、情報通信設備、電力設備の分野で、 数々の特許を取得するほどの高い技術力と、70年にわたる豊富なノウハウを駆使し、 幅広い設備を手がけてきました。
活躍の場は発電施設からオフィスの電気設備、照明やコンセント、 更に空調・衛生設備、情報通信分野など多岐にわたっています。
従業員数:7,104名(2018年3月末現在)
URL:https://www.kandenko.co.jp/
・先輩ママのいいとこ取りで自分だけのロールモデルを紹介できた
・地方の事業所は女性が少なく、周囲に育児経験者がいないため、気軽に交流することが可能に
・メッセージ機能・アンケート機能などがとても充実していて、運営上の利便性も高かった
・上司にエアリーダイバーシティのデモ画面を提示した際、その利便性をすぐに理解していただけた
はじめに、御社の女性活躍にはどんな課題がありますか?
(井上様)弊社は女性の割合が約5%と非常に少ない会社ですが、育児関連制度が充実しており女性の育休取得率・復職率はほぼ100%と女性が長く働ける環境が整っています。しかし復職した後、キャリアアップを目指しにくいことが課題です。
(冨田様)実際、私は子どもが小さい頃は補助的な仕事が多かったのですが、今になって「あの時頑張って違う業務を経験しておけば・・・」という思いがあります。
(井上様)そこで、2016年女性活躍推進法の施行と同時に女性活躍推進プロジェクトを開始し、「職場風土・意識の改革」「能力開発・職域拡大」「仕事と家庭の両立支援の強化」に向けた取組みを強化しています。エアリーダイバーシティは「仕事と家庭の両立支援の強化」の一環で導入しました。
当初は独自に社内SNSの開発を目指していたとお聞きしました。なぜエアリーダイバーシティに乗り換えたのでしょうか?
(塩田様)もともと社内イントラ内の専用ページでチームの情報を発信しており、プロジェクトの開始に合わせて既存のページをリニューアルしたのですが、その中で育児休職者の交流の場を作ろうと計画していました。しかし実際にシステムを作り始めると思い描いたような機能や使い勝手が実現できず、行き詰まってしまったのです。その時、エアリーダイバーシティのことを知り、機能面やコスト面を検討した結果、乗り換えようと決断しました。
エアリーダイバーシティのどのような点に魅力を感じましたか?
(井上様)話したいテーマごとにコミュニティをたてることができ、レイアウトもタイムライン形式で普段使用しているSNSのように気軽に投稿・閲覧できるところが魅力的でした。また、メッセージ機能・アンケート機能などがとても充実していて、運営上の利便性も高いと考えました。
(冨田様)個人のスマホからアクセスできる点も、とても便利ですね。育児休職中はもちろん、復職後に通勤電車の中でも気軽に見ることができます。スマホで撮影した写真も簡単に投稿できますしね。
導入にあたり社内の理解はスムーズに得られましたか?
(井上様)上司にエアリーダイバーシティのデモ画面を提示した際、その利便性をすぐに理解していただけたので、スムーズでした。初期費用やランニングコストも非常に安いと感じたので、提案しやすかったです。
御社ではエアリーダイバーシティを「Sun Sunカフェ」の愛称でご活用いただいています。参加メンバーやコミュニティのテーマについて教えてください。
(井上様)小1までのお子さんがいる女性社員に声をかけ、約9割の60名程度が参加しています。さらに子育てしながらキャリアアップしている先輩女性社員12名に「Sunカフェサポーター」として参加してもらっています。コミュニティは、自己紹介、フリートーク、子育ての悩み相談、仕事の悩み相談の4つのテーマを用意しています。
交流を盛り上げるためにやっていることは何でしょうか?
(塩田様)リレー日記です。参加希望者を5~6人チームに分け、各チーム2週間に1人のペースで書いてもらっています。最初のテーマは「時短テク(ごはん編)」。ネタが豊富で誰でも描きやすく、読む方にも喜ばれると思ってテーマにしました。
(冨田様)若いママさんは、週末にまとめて食材を冷凍しておくなどいろんな工夫をしていますね。子育て経験が長い私の方が参考になるほど、面白い内容でした。
(井上様)テーマはアンケート機能で「先輩ママに聞きたいこと」として集まった意見を参考に決めています。また、投稿には写真・画像も添えるようお願いしているので、とても賑やかです。
「復職支援ルーム」には、他にどんな情報がありますか?
復職した社員から集めたリアルな保活情報を掲載しています。保活は、初めての人はわからないことだらけで出遅れたり、地域差が激しくて本当に必要な情報を集めにくかったりして苦労しますからね。
「Sun Sunカフェ」の運営について迷ったことはありますか?
(冨田様)リレー日記はEDGEの担当者からご提案いただいたのですが、実はやるべきかどうか非常に悩みました。「強制感がある」「サイトをオープンすれば自発的に書き込んでくれるだろう」という意見があり、最初はリレー日記はやっていなかったんです。でも実際はあまり投稿されない状態でした。テーマを決めずに、自由に投稿して下さいと言っても、あまり投稿がない中では、なかなか投稿しづらかったのかもしれません。
(井上様)そこで思い切ってリレー日記を開始することにしました。盛り上げるためにはただサイト導入するだけではなく活性化させる仕掛けが必要とご提案いただき、「なるほど!」と衝撃を受けました。社内のメンバーだけでは気づきませんでした。
(冨田様)それとリレー日記は弊社の女性の気質に合っているように思います。メンバーには運営側からリレー日記の投稿を個別にお願いすることがあるのですが、「え〜?」「本当に書くの?」と言われることがあります。(笑)自発的に書き込むのは照れがあるのかもしれません。でも、実際に「リレー日記」がスタートするとみなさんとても丁寧な記事を書いて下さったり、頻繁にアクセスして下さったりと興味を持って下さっている方が徐々に増えていっているのを感じています。リレー日記の強制感がプラスに働いて交流の活性化に役立っています。
導入後、どのような効果を感じていますか?
(井上様)今回対象外の社員からも多くお問い合わせをいただいております。それほど社内には興味を持っている社員が多いということです。また、地方の事業所は女性が少ないため、周囲に育児経験者がいないという社員もいます。そのような地域からは「社内でのつながりができてすごく助かっている」という声が聞こえてきます。
(塩田様)何と言っても仕事上で関わりがない方とも、つながることができることですね。「Sun Sunカフェ」では社内に数少ない女性管理職とも気軽に交流することができます。それに、ちょっとしたモヤモヤも自分だけじゃないとわかると心強いものですよね。私はよく出来合いのお惣菜を使うのですが、リレー日記をきっかけにみなさんも結構使っていることがわかって罪悪感が払拭できました。
Sunカフェサポーターにはどのようなフォローお願いしているのですか?
(井上様)サポーターには勤務エリアが近い後輩ママのサポートをお願いしています。それと、半年に1回「Sunカフェランチミーティング」というオフ会を開催し、メンバーとサポーターが直接交流を持てる場を設けています。全国に社員がおりますので、頻繁に顔を合わせることはできませんが、そのような機会を設けることで、日頃「Sun Sunカフェ」上でも投稿しやすくなるなど、オフ会をきっかけにさらに「Sun Sunカフェ」が活性化していくことが狙いの1つです。また、サポーターには、リレー日記の進捗など定期的にお知らせメールを配信しています。
事務局アカウントはどのように使っていますか?
(塩田様)交流を盛り上げようと事務局が介入すると、サポーターが機能しなくなる恐れがあります。基本的には投稿やコメントは行なわず、参加者の自然な交流を見守っています。ただし、リレー日記のテーマを募集したり、オフ会での写真を共有するなど、事務的には大いに活用させてもらっています。
導入・運営にあたり、EDGEの担当者のサポートはいかがでしたか?
(井上様)リレー日記をはじめ他社の活用事例をご紹介いただいたり、「今日アンケートを送りたいので操作方法を教えてほしい」といった急な問い合わせにもすぐに電話でお答えいただけたりと、手厚いサポートに感謝しています。
これからSun Sunカフェをどのような場にしていきたいですか?
(塩田様)女性社員がロールモデルを見つけられる場所にしていきたいです。身近に子育てしながらキャリアアップした女性がいなくても、「Sun Sunカフェ」で様々な先輩の働き方を知れば、それぞれのいいところを全部つなぎ合せて自分だけのロールモデルを作ることもできるはずです。「Sun Sunカフェ」の交流が、より多くの女性がキャリアアップの夢を持つきっかけになればと思います。